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「主婦の店新聞岐阜版第1号」 [「スーパーの原点」を考える]

昭和32年(1957年)10月9日に
全国第5番目の「主婦の店」として開店した
「主婦の店加納店」(岐阜県岐阜市上本町4)が発行した
「主婦の店新聞岐阜版第1号(昭和32年10月9日)」に
次の記事が掲載されています。

…引用…
 お買物は楽しむ時代です!
 ところが、
  買いたくない品物を無理に買ってしまったり―
  面白いなと思った商品でも、さわったら買わねばならぬかと
  思って見合わせたり―
  雨の中を傘をさして、あちらの肉屋さん、こちらの八百屋さん、
  そして向うの魚屋さんと買いまわったり―。
 というように、奥さま方の日々のお買物にも、
 なやみがつきないようでございます。
   そこで私共は、折角のお買物を楽しんで頂きたいと存じ、
 「主婦の店」を開くことに致しました。

  主婦の店は、お宅のお台所の延長
 でありたいと願っております。
  そこで奥さま方に代わって食料品をはじめ日用必需品をお安く、
 気軽に間に合わせるために、
 「主婦の店」はセルフサービス様式に致しました。
  「主婦の店」には、御案内と商品の補充のため
 僅かな店員がおりますが、販売員はおりません。
 そしてその他の店員は、お値打品、良い品を捜しに
 外部で活躍しております。
  どうか、「主婦の店」の売場の棚は、お宅のお台所の棚と
 思召して誰にも気がねすることなくお好きな品を
 御自由に御自分でお選び下さいませ。
  一度買おうと思って籠にお入れになりました品物でも、
 又自由にもとの棚へお戻しになっても結構です。
  そして最後に出口の御勘定場で、はじめてひとまとめにして
 お代を頂戴致しますから、種々雑多なこまかいお買物に
 いちいち財布を出し入れして頂く必要はございません。
…引用終わり…

「主婦の店加納店」が開店する前の
昭和32年10月6日付の朝日新聞岐阜版には
~「主婦の店」お目見え~
と題した記事が掲載されました。

・・引用・・
 主婦が気楽に日用品を買えると言うことから
 「主婦の店」という名の日用品デパートが
 九日から岐阜市加納新本町で開店する。
 加納地区の酒屋さん八軒が出資してつくった
 協同組合のようなもので、
 他の店と変わっているのは客が買いたいものを
 勝手に店の入口に備えてあるカゴの中に入れ、
 出口で代金を計算してもらうセルフサービスが特徴。
 ・・・略・・・これは米国のスーパーマーケットを
 参考にしたもので、全国では四番目の店だそうだ。
・・引用終わり・・

また、昭和32年10月8日付の毎日新聞岐阜版には
 ~“お安くします” 主婦の店 全国で五番目 あす店開き~
と題した記事が掲載されました。

・・引用・・
 岐阜市加納上本町に“主婦の店”という
 セルフ・サービスのマーケットができ、九日から開店する。
 加納地区の酒屋さん八軒が中心になってつくったものだが、
 日用雑貨から肉、魚、野菜、金物、菓子まで台所のものなら
 何でもそろっている薄利多売主義で市価より
 一割五分から二割安い。セルフ・サービスなので
 店員につきまとわれて無理に買わされる心配がなく、
 気軽に備えつけのカゴにとって勘定場へ渡せばよい
 …などの百貨店に似たサービスぶりを
 掲げているところが特徴。
・・引用終わり・・


基礎からの商業と流通

基礎からの商業と流通

  • 作者: 石川 和男
  • 出版社/メーカー: 中央経済社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本



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